「住まいの思考図鑑」 佐川 旭著
あなたの「家」は快適ですか?
玄関に入ったらうれしいですか?
早く家に帰りたいですか?
「家」は安心できますか?
「家」でくつろげますか?
最近「家」について違和感を覚えています。
「家」がちっとも楽しくない・・・。
そこでこの本「住まいの思考図鑑」を読んだ。
気になったところを目次からひろってみました。
目次
- 地域との共同体感覚を取り戻す
- 家族で共有するもの、できないもの
- 帰りたくなる玄関が欲しい
- 水回りは気持ちよさにこだわる
- 階段は間取りの要
- 無限のことばをもつ「壁」を作る
- 光ではなく光の「質」をとり入れる
- 結論”幸せ”って家のことなのだ
地域との共同体感覚を取り戻す
家(借家、マンションでも)を構えるということは、
地域の一員として地域に加わる宣言をすることです。
近所付き合いを敬遠する時代は終わりました。
いつあるかわからない非常時、災害時などを考えても、
地域と自分は運命共同体であると認識すべきです。
運命共同体であると考えると、近隣との調和とか発展にも
心を配れるようになります。
そうしてだんだんと地域との繋がりもできていきます、
人間は共同体の中でしか生きられない動物だということを、
忘れてはいけない。
住まいは家族を育むだけでなく、共同体を育む役割も担っています。
家族で共有するもの、できないもの
家の例えは①愛の巣を作る②一国一城の主③狭いながらも楽しい我が家
家は変化していくもの、5年周期で見直しを。
「家族の気配が感じられて、共有しない自分だけの空間も十分ある暮らし」
家族、と言っても老夫婦の暮らしでは
相方の気配を感じながら、自分だけの十分な空間があるといい。
いつも一緒にいたいわけじゃない、
一人になれる場所があるから共同体の一員でいられる。
年齢とともに一人の空間がより大切になっていく、
心の欲求に向き合える環境だといいのだけど。
帰りたくなる玄関が欲しい
帰ってきた時にドアを開けて、
ホッ、とできる玄関がいいに決まっている。
玄関を単に「靴を脱ぐ場所」という機能だけで考えていないだろうか。
帰ってきた時の心理的な切り替えにいい影響を及ぼす「玄関」を
もっと大事に考えたい。
①導入部から気持ちよく、道路から玄関へのアプローチからしっかりデザインする。
②視線の方向を変えさせ、壁で奥へと誘導する。
③明かりで安心感や温か味を感じさせる。
心がけることで、少しづつでも変えていこう。
水回りは気持ちよさにこだわる
朝起きて寒くなく洗顔できたらいいのに、
階下まで寒い廊下を歩いていかなければならない。
お風呂も冬の寒さの前には二の足を踏んでしまう。
いっそのこと水回りは全て寝室に置いたらいい。
朝起きて洗顔して、コーヒーを飲んで新聞を読む。
夜ご飯を食べてお風呂に入って歯を磨いて寝る。
歳をとったらホテルのサニタリーみたいに
ゴチャゴチャと物を置かずスッキリとデザインを統一して、
区切らず広々と寝室に直結しているとグッと快適度が増す。
階段は間取りの要
人も暮らしも変化し続けるとしたら、
階段の位置も考え直していいのではないか。
①ダイニングテーブル近くの階段は冬場は暖気が逃げて寒く感じる
②玄関を開けてすぐの階段も何か落ち着かない
③階段は「つなぐ」「分ける」の動きを決める重要なパーツ
階段の考え方によって住み心地や部屋の広さまでも変わってくる。
階段の特性を活かすことで空間の可能性を広げることができる。
無限のことばをもつ「壁」を作る
壁の前に棚などを置いて壁の「機能」面だけを考える傾向にあるが、
壁を利用して空間を豊かに演出できると安心感や」安定感が生まれる。
①壁が少ない空間は落ち着かない
②壁がもので埋め尽くされているとうるさく感じる
③壁の見た目にまとまりがないとくつろげない
もともと、柱や梁で構成される日本建設には壁が少なかった。
ヨーロッパでは石や煉瓦を積み上げるので、壁がなくては建物が成り立たない、
だから、ヨーロッパの人は壁の生かし方がうまい、真似しよう。
光ではなく光の「質」をとり入れる
光にも性格がある
①南の光は強いエネルギーを持つ眩しい光
②北の光は変化の少ない安定した白い光
③東の光は朝方の光は赤く徐々に透明感が出る
④西の光は熱が残ったオレンジ色の光
必要な明るさは用途によって違い、すべての部屋に同じような明るさはいりません。
光の明暗に差をつけたり光を拡散、陰影をつけることで景色を味わい深いものにする。
晴れた冬の空に見られる夕焼けは、おおよそ3300ケルビン。
その光を室内にとり入れると、体が一日の終わりだと感じ、
くつろぎモードになっていきます。
結論”幸せ”って家のことなのだ
若い友人の話、とっても可愛い人とお付き合いをして結婚して・・・
住まいは古い家をリフォームして住んでいるんだって、
夫婦二人で話し合って、考えて、好きなようにリフォームできて、
とても快適に暮らしているんだって。
家に帰るのが嬉しいし、家でごはんを食べるのが楽しい、んだって。
その話を聞いて
もしかして、幸せって「快適な住まい」のことではないかしら?
家が快適だったら、何でもできるよね、
勉強、挑戦、リスクをとる、食べる、寝る、話す、考える、、、
人生で一番大事な選択も
「快適な住まい」が後押ししてくれる。
リビングを快適に、とかキッチンをオシャレに、とかではない
家づくりのヒントが「住まいの思考図鑑」にはあった。
私なりの家づくりのヒントにしたい。
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