三砂ちづるの《かけこみ人生相談》幻冬舎プラス+からシェアします
こんにちは~あんかけ(@guam345)でーす。
人生相談にはまってます、へたな小説よむより人生について深く考えさせられます。
相談(匿名希望・大学4年生・22才・女性・愛媛県)
私は今大学4年生でもう卒業です。しかし、その後どこで何をするかはまだ決まっていません。就職活動はしましたがどこも受からず、人生をやり直そうと、絶対合格できるといわれた、短大を受けましたが落ちてしまいました。
将来に希望が全くありません。
こんなことは考えたくないのですが、死んでしまったほうがよいのではないのではないかと、思ってしまいます。----------------------------------------------------------------------
将来に希望がなくて「死んでしまいたい」ってすごい悩みですね、
でも、これって、自分では何一つ覚悟をもって決めてることがなくて、
誰かに素晴らしい将来を目の前に差し出してほしい、今までそうだったように、
誰かに何とかしてもらいたい、ってことを言っているように聞こえる・・・
◎お答えします
あなたは比較的、経済的に恵まれたご家庭の方、あるいは自分自身が恵まれた経済状況のようですね。そうでないならば、大学を出たら、就職が決まっていようがいまいが、どこかで何らかの形で、金を稼げるようなことをするしか道はありませんから。
そしておそらく前者の「比較的、経済的に恵まれたご家庭の方」なのでしょう。
自分自身が稼いで経済状況がよいのなら、進路に迷う必要もないわけですからね。
大学まででたののに、なぜ、また短大に行かねばならないのか、そのあたりはよくわかりませんが、とにかく、「まだお金を払って勉強を続けてよい」という環境である、ということなのでしょう。
そうであれば、もっと前面的に、親御さん、あるいはあなたにお金を出してくださっている親族の方に頼り、悩みを相談し、「死にたい」くらいつらいことを説明し、手を差し伸べてもらってはいかがでしょうか。
わたしの優秀な同僚(大学の先生です)は、大学4年生のとき、就職活動をして、50社以上の会社を受けたにもかかわらず、どこも採ってもらえず、絶望してお母さんに泣きついたそうです。
彼女の泣き言を聞いたお母さんは、ちっとも動じることなく「わかりました」といって電話を切り、間髪をいれず再度電話をしてきて、「就職が決まらなくてつらいみたいだから、あなたは嫁に行きなさい」と忽然といい放ち、そこには寸分の反論の余地もないことが瞬時にわかったそうです。
同僚は母親のあまりの真剣さに怖じ気づき、このままでは本当に有無を言わさず結婚させられてしまう、これはまずい、なんとかしなければならない、とあわてて大学院入試の準備をして、大学院に進学することにしたそうです。
結局、研究を続けて、研究者になりいまは大学の先生です。
あなたは親御さんに相談なさったのでしょうか。
ほとんどの親(あるいは保護者)というものは、自分が言いたいことは言ってくれず、言ってほしくないことばかり言うような人間で、やってほしいことはやってくれず、やってほしくないことばかりやる存在です。
よって、ほとんどの親は、ほとんどの子供にうっとうしがられています。親というのはうっとうしいものであり、やってほしくないことをやり、言ってほしくないことばかりを言うものなのです。
親自身もその親のことを「うっとうしい」と思っていたにもかかわらず、自分が親になるとつい、そうしてしまう。
全ての親は、次の世代に許されなければなりません。とはいえ、親はやっぱり子供に「生き延びてほしい」と願い続ける。
勉強などできなくても、就職活動にすべて失敗しても、酒におぼれても、ネットに支配されても、なんでもよい。とにかく生き延びてほしい(親がおいでにならなくて、別の方が保護者であっても同じことです)
全ての親は、子供が「死にたい」と思うくらいつらい時は、相談してもらいたいものです。生き延びてもらいたいから。
だから、「死にたい、死んだほうがましだ」と思っているあなたは、親に相談すべきです。相談してみれば、親はきっとあなたにとっては受け入れがたい、妙なアドバイスをするに違いない。そうされて、あなたははじめて、「そんな親の意見なんか聞いていられない」と、わたしの同僚のように、目がさめるかもしれない。
あるいは、あなたの親は、あなたが考えもつかなかった、世にも素晴らしい進路をあなたに提示し、あなたにとってとてもハッピーな進路が決まるかもしれない。
それならそれで、おめでたいことです。
妙なアドバイスもせず、素晴らしい進路を提示もせず、どうでもいいようなことを言われたら、「おとうさん、おかあさん、そんなこと言わないで、わたしを助けて」ともっと真剣に泣きつきなさい。
あなたひとりでは「死にたい」くらいなのだから、家族全員で考えてもらうしかないのです。
だいたい、就職活動をすべて失敗する、ということ、それがまた、一つの進路です。
あなたはどういう会社をうけていたのでしょうか。
受けていたような会社にあなたが向かなかったのかもしれない。
あなたには非営利の財団や公務員のような仕事が向くのかもしれない。
教員になったり、研究者になったりするのが向くのかもしれない。
女性はすべて社会的に役立つ仕事をしなければならないという、キャリア・ウーマン・イデオロギーに流されず、専業主婦の道を探すべきかもしれない。
え?夫に暴力をふるわれたり、ひどいことをされたりしても、専業主婦だと逃げられないじゃないですか、って?
それなら、そのときこそ、あなたが人生に立ち向かうべきときです。
今立ち向かわないなら、その時立ち向かえばいい。どこかで腹をくくって、あなたの人生を生きることしかない。
さしあたり、「親に相談」、をおすすめします。----------終わり
ということで、いつかは腹をくくって自分で決断するのが人生、早いか遅いかのちがいだけ