三砂ちづるのかけこみ人生相談《幻冬舎プラス+》
回答「ろくでもない人との大変な人生、も楽しいものですよ」
人生相談が好きで、その時々にマイブームな人がいて、ちょっとまえだと
「悩みのるつぼ」の岡田斗司夫さんが好きだったりして、本を数冊読んだりした。
人生相談の相談も熟考するし、回答も数回読んで考える。面白いかラ・・・。
さて、今日の相談と質問は価値観を揺さぶられるものでしょうか。
こんにちは~あんかけ(@guam345)でーす。
相談(愚娘・会社員・42才・女性・東京都)
42才独身で、現在10才年上のバツイチの彼と付き合っています。
付き合い始めて1年強。付き合い始めは半年から一年以内に同居もしくは結婚という話だったのに一向に話が進みません。
1周期を迎えたときに思い切って今後はどうするかを聞いてみたところ、彼から返ってきた答えは「自分の稼ぎは自分でつかいたい」と・・・・。
正直、唖然としました。
始めは養ってやると調子のいいことを言っておきながら、まさかの返事に驚愕でした。
とはいえ概に双方の親にも紹介済み。確かに優しい人ではあるが思いやりに欠ける人。
彼の育った環境がそうさせたのだと、こちらも半ばしかたないと思っていましたが、
正直、私には後がないので、このままでよいか真剣に悩んでいます。
私の両親も姉も、彼をとても気に入ってくれています。
親としては42才にして実家暮らしの私に、形はどうであれ出て行ってほしいと思っているようでもあり・・・・。
彼の80才になるお母様も私をとても可愛がってくださり、ありがたいのですが、
決断力と思いやりに欠ける彼とこのまま一緒にいて、
果たして本当に未来はあるのか。不安でたまりません。ーーーーーーーーーーーーーー
やってみなければわからないし、やってみてだめならその時別れたらいいし、42才を考えても、一回バツついてたほうがいいぐらいのことで、有り難く一緒になればいいと思う。不安、とかっていうのは相手に失礼かなと思います。それから、お母さまが80才であれば介護が待ったなしなので、男性のほうも甘い言葉を連発して結婚に持ち込むべきときなのでは?
◎お答えします(三砂ちづる)
基本的に「ろくでもない人との大変な人生」のほうが、「おひとり様の優雅な人生」より楽しいだろうと思っている私は、まあ、前近代的エトスの持ち主かもしれないので、現代的には非常識なアドバイスしかできませんが、私の書くことに反発するのもまた、
あなたの方向を決めることになるだろうし。
あなたは42才独身だそうだ。
両方の親にもお互いを紹介しているらしい。双方の親もお互いをきにいっているらしい。そして、どうやらあなたは「結婚したい」らしい。
じゃあ、まあ、いいんじゃないですか?同居なり、結婚なり、先に進んでも。
彼は決断力と思いやりとロマンティックさとデリカシーに欠ける人なのかもしれないが、人間はみんな欠けるところがあるのだ。
わが身を振り返ってみればわかる。
自分だってひょっとしたらちょっとぐらいよいところもあるかしれないが、
とんでもないひどいところもいっぱいあるし、優しさも思いやりもないのかもしれない。それでも自分の近しい人は、自分のこのひどさを我慢してきてくれたのだ。
自分も少々は我慢しなければならないんじゃないか。
いや、あなたはきっとすばらしい人なんだと思うが、だったらよけい、
ちょっとぐらい他人の出来の悪いのは許してあげてください。
結婚前から唖然とするようなことを言う人には、結婚してからは、もっと唖然とさせられるであろうことは、ほぼ間違いない。
なんでこんな人と一緒になったんだろう、別れてやる、42才まで独身だったあなたは結婚(あるいは同居)後も何度も思うだろうと予測する。
しかし同時に、人間って多様なものだから、あんなひどい奴だと思っていた相手に、けっこうまともなところもあったり、あれ、こんなところは悪くないんじゃないか、と思うところを見つけたりする。
そして、それって結構面白いことだし味わい深いものだ。
やっぱり一人で生きていくよりっも、二人で生きているってなんだかいいな、親戚も倍にふえちゃったし、親と呼ぶ人も増えたし、その人はわたしのことを可愛がってくれるし、悪くないじゃん、みたいに思えることも少なくないのだ。
というか世の中のほとんどの夫婦はそうやってなんとなく、やり過ごしているのだ。
誰かとの人生に踏み出すきっかけはなんでもいい。
踏み出してみたらいいんじゃないか、とわたしは思う。
現実的な問題として、あなたは「後がない」と思っておられるようで、それは申し訳ないけど、いまの世の中の感じからして、当たっていると思う。だから、
「後がないなら、やあったろやないか」的な、適当な決断でお進みになるのがよいのではないか。
そこで決定的に失敗したらやり直してもいいというくらいに、今は寛容な時代です。
再度書くが、あなたは42才で独身で、結婚したいと思っている。
肉体的な相性がどうしたって合わない相手なのだ、というのが悩みでなければ、一緒に苦労してみてはいかが?
こんな彼と一緒になって未来があるのか不安だそうですが、未来は彼に任せるものでなく、あなたがつくっていける。
そういう自信をこそ、あなたに持ってもらいたいし、それが持てるよう応援したい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーオワリ
人生って希望と勇気と少しのお金があれば生きていけるけど、希望も勇気も自分で見つけて持たなければならないもの、その勇気が見つけられなくて、勇気を出さなくていいことを探しているように感じられる。相手の人が暴力をふるう人でなくて、ヘンな趣味がなくて、仕事している人なら良しとして、有り難く結婚すればいいのに!